ブレーシングエンド部分の処理について。

サウンドホールから、内部の作りを見る時に、やたらと気になるのが、ここ「ブレーシングのエンド部分の処理」なのですが、
どうでしょうか・・・。

例えば、これが手工品レベルのものであれば、恐らくは一人の職人が初めから終わりまでを担当しているのでしょうから、
(必ずしもでしょうが。)誤差は極力少なくて済むのでしょう。
ですが、量産品の場合。多少の誤差を見込んでいくはずですので、手工品に比べると、やはり隙間が多いと思うのです。

また、この部分については、カチッとしっかり挟まっている場合もあれば、どうみても隙間が空いている事もあり。
結構、不可思議です。
一説には、「ブレーシングの浮きを抑える為の処理。」という事も聞いていますが、ブレーシングは音に関わる部分と言われていますので、
関係あるように思うのですが、実際の所どうなのでしょうかね・・・。


現在手にしている、YAMAHAのアコギ(77〜80年代)の場合。
ブレーシングがクロスする部分(Xの部分)が組み木細工となっており、互いの凹んだ部分を組み合わせて嵌めているようなのですが、
ブレーシングが、上(下)に向かって細くなってゆく形の為組み合っている部分に隙間が出来ています。
これも、メインブレーシングですので、何らかの影響がありそうなのですが。。。

と、いうわけで、暇があったら、201B君で穴埋め実験をしてみようかと思っております。
(唯一の不安は、カチッとさせすぎたせいで、音が出なくなってしまうのではないか。。。という事です。)
よい方向へ転じてくれるといいのですが・・・^^;



2008・1・18更新

そんなわけで更新です。
まずは、下の写真をご覧頂こうかと思います・・・

これは、一方が「YAMAHA FG-201B」で一方が「YAMAHA L-6」のTOP上部(ネック側)のブレーシングエンド部分の処理なのですが、
どちらが、どちらか。解るでしょうか・・・

一見しても、左の写真の方が処理がしっかりしており、スキマなくピタリと挟まっているのが解るかと思います。
それに対して、右の写真の処理のなんとまぁお粗末な事(上部の太い力木などは、明らかに挟まっておらず、更に寸足らずです。)
・・・賢明な読者の方ならもうお解かりの事だと思います。
そう、実は左の写真が「201B」で右が「L-6」なんです・・・(大汗;

一説には、当時のLシリーズは高級志向を謳い、「なりものいり」で発売されたとも聞いてはいますが、
これは一体どういう事なのでしょうかね。^^;

まぁ、私の解釈によりますれば・・・
「この日は、パートのおばちゃんが朝っぱらから旦那とケンカしてきて、機嫌が悪かった。もぅ、なんだか色々面倒な気分に浸っていて、
高級だろうが、普及だろうが、そんなのカンケーねぇ。あっ、カンケーねぇ!と。 。 。 」
と、まぁ、その真偽はともかく。
逆に、201B君の処理は当時20000円のギターとしては、異常とも言えるほどの、丁寧な作り。とも言えます。

というわけで。
とりあえず、テスト的に201B君の、ブレーシングエンド部の埋め作業をしてみようとしたのですが、
ご覧の写真のフィニッシュは全体的にも同じでして、ほとんど処理の必要が無かったのでしたw
ならば、いきなり本題のL-6君のエンド処理です。
・・・ところが、この作業。いくら、スキマが大きいとは言っても、埋め木に使えるような薄い板など手元には無く、
結局、MIZUNOギターの修復時に行ったと同様、ノミとカンナで、ピッタリ嵌るシムを作るしか無かったのです。
(この作業が、気が遠くなりそうなほど細かく長い作業でして・・・)

写真は後ほどUPするかと思います。(現在は弦を張ってしまっている状態ですので、とりあえず割愛)
「音の変化はあったか?」実は、ありました。
L-6のページで書いたのですが、このギターなぜか高音がキレイに出なかったのが悩みの種だったのですが、
これが、結構キラキラしてきて、ちょっとご機嫌なのです。

理論立てての詳しい事は解りません。
ですが、嵌るべき所はやはりしっかりと嵌っていた方がよい!

・・・あたりまえといえば、あたりまえ。なのですが。。。


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