Mizono Guitar修繕記録2007.12.25

というわけで、折角気持ちの良い音を奏でるこのギターを6つの弦をキチンと張れず、このまま放って置くのはちょっと忍びない訳です。。。
ですので、なんとかちゃんとしたカタチにまで仕上げたいのですが、、、
なんにせよ、修繕箇所が多い上に、ややもすると専門的技術を要する部分がありますので、そぅそぅ手を出せずにいました。。。
しかし、綺麗な単音を奏でるのですから、しっかり修繕し総ての弦を張ってみれば、どんな音を奏でるのか。
そんな興味に押され。遂に本格的に修繕する事となりました。。。

Part1
まず。気になるのはやはり「ボディー各部の割れ」です。

写真左がTOPで、中央がバック、右がサイドの割れ。

ご覧のように、センター合わせが材の収縮によって、剥がれて(離れて)しまっています。
また。割れている時の写真を撮り忘れてしまいましたが、
TOP中央部・ネック付近・バック右上部と、実は、かなり多くの修繕が必要な箇所があります・・・

とりあえずタイトボンドという専用?の接着剤を入手し、トップ・バック・サイドの修繕を行ったのですが、
その後、タイトボンドの接着を促す為に、天日干しを繰り返した所、更に材が収縮したのか、一週間も待たず、
結構簡単に「パリッ」と、剥がれてしまいました・・・^^;
(サイドは、圧着した効果が有ってか、しっかりくっ付いたようです。)
やはり、このスキマをボンドだけで修復するのは不可能なようです。そこで、
スプルースを細〜い板にして、はめ込む事にしたのですが、これには、
よく斬れるノミやカンナがどうしても必要になりそうです。。。

Part2
なによりも、作業に掛かるまでの下準備が大変でしたが、(ノミやカンナの刃を研ぐだけで半日仕事でした。)
なんとか気持ちよく削れる道具が揃いましたので、早速、スプルース材からスキマを埋められる板を削り出し、
タイトボンドを充填しながら、押し込んで修復してみました。(作業中の写真は。。。撮り忘れました^^;)

修復後の写真

出来自体は満足で、かなり上手く修復出来たと思います。
(裸のままのスプルースだと湿気を吸収して、またパカッっとなるかもしれませんので、とりあえず的にニスを塗っていますが、
タッチアップでしかないですし、仕上げもしていませんので、見た目がちょっと悪いですね。)
また。写真にはありませんが、TOP中央部・ネック付近・バック右上部もしっかり修復しております。
(ちなみに、バックは恐らくメイプルなんじゃないかと思うのですが、流石にそこまで材を合わせられません。
ですので、裏板に使用した材も、スプルースでございます・・・)

さて、これでボディー部はよし。と締めくくる事にしまして^^;
次は、ペグをどぅにかしましょう・・・
とはいえ、このギターに合うサイズのペグを見つけるのは、ちょっと苦労しそうです。。。
一番簡単なのは、「ペグのギアが調達出来る」と言う事なのですが、、、さて・・・

そぅいえば、飾り物となってしまった、我が初代ギターのMorris W-18のヘッドまわり。w
「・・・このペグ、オープンタイプだから、使えへんかなぁ〜。」なんて・・・、まぁ。暇なので、やってみました。。。

結論から申し上げますと、これがちゃっかりくっついてしまうのです。。。
ちょっと、ネジのピッチが異なるのか、多少スキマが開いてしまうのですが、ギアの大きさやピッチは許容範囲内らしく、
弦をしっかり巻き上げてくれていますので、これでよし。ということで。。。

Part3
さて、これでやっと、総ての弦を張って音を出す事が出来るようになりました。
(単音での音はかなり気持ちのいいギターですので、期待感が高まります。)
とりあえず、接着部分の固着安定は大切ですので、2〜3日ほど、このままの状態にしておきました。
そして数日後。。。
手持ちの弦セットがありませんでしたので、新しい弦と古い弦がごちゃ混ぜになってしまいましたが、
とりあえず問題なく調弦が出来ましたので、早速試奏です。
デブリャエェ〜〜〜〜ンン・・・

Part4
ブッッ。な、なんでしょうか、コレは・・・・
なんか、音が、、、ヘンなのです。。。
201B君やL-6君を弾いた後での試奏でしたので、フォークギターとの音の差異なのかもしれませんが、
なにかヘンなエコーがかかっているような音で、味だと思っていましたが、なんだかメチャメチャ安っぽい音なんです。。。
^^;
これは。困るデス・・・(せっかく、修復したのに・・・)
・・・ですが、、弾き続けていくと、やはり単音。例えばアルペジオ等ですと、一音一音の音の艶や前への張り出し方とか、
やはり、201BやL-6では出せない、非常に魅力的な音を出してくれていまして、このギターだけを弾いていると惹き込まれる感じがあります。
ですが、ストロークはガタガタでして。なにか、「ハチャメチャなバランス」という感があります。
これは、新旧入り乱れた?弦がイタズラをしている可能性もありますが、指の入力に対しての反応がよい分余計に気になりました。
(ピックガードが付いていませんし、この頃のギターはストロークを考えていなかったのかもしれませんが・・・)

Part5
今回はとりあえず、演奏が出来るレベルにまで修復出来たと考えていますが、課題が残されていない訳でもありません。
・・・一番気になるのは、やはり「ブレーシング」です。
一応剥がれてはいないように見えますが、収縮した板に合わせてブレーシングも収縮したとも考えられず。−−;
普通に考えれば、なんらかの不都合を生じているように思いますので、再点検をしなくてはならないでしょう。
そして、これも「やはり」の、「ネック」です。
まず。この軽さからして、どぅ考えてもトラスロッドが入っていません。(モチロン調整ネジなんかありません。)
総ての弦を張った時点での、12Fでの弦高が3.5〜4.0o位ある。というのも多少はありますが、
実は、結構、順反りしており。というか、指板がヘンに波打っているようで、
一弦側だけが、2Fで1oと、いきなり空いてしまっているのです。。。
(弾きはじめれば、それほど気にはならないので、問題ない。といえば、そうとも言えますけど。。。?)

とはいえ。せっかく直った事ですし、弾きはじめれば気持ちがいいので、ガシガシしてあげようと思っております。


編集後記
初めの音だしには、ある意味ビックリしましたが「要は奏法如何によるのではないか。」と最近は考えています。
ピック弾きなんて言語道断。
基本、クラッシックギターみたいなものなんだ。ということを念頭にアルペジオを主体にしてゆくと、独特の世界を奏でてくれます。
ストロークも、ピックではなく、フラメンコのように3つの指でまさに「はじくように」バーン。とやると、凄くハマります。
(元々よく鳴るギターですので、コツが解ると面白いように鳴ってくれます。)
また、このギターのフレットを見る限り、前所有者はほとんど弾いてはいなかったハズですので、(殆ど減っていない。)
弾き続ける事で、全体のバランスも化けるかもしれません。



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